空気圧の調質
ルブリケ一タ
空気圧機器の潤滑装置です。
ルブリケータは、空気圧機器に供給する圧縮空気の流れを利用して、必要箇所 に潤滑油を送ります。
スプレー(霧吹き器)の原理で潤滑油を微粒化(霧状) し、圧縮空気の流れによって吹き飛ばさせて、それぞれの摺動部分に潤滑油を 給油します。
一般に、微粒子になった油の直径は約1~5〔μm〕です。
油の微粒 子がこれ以上に大きいとすぐ沈降し、また、小さいと機器の必要な部分に付着し にくくなるなど、その粒子径は潤滑特性と直接関係してきます。
そのため、用途 によって適正なルブリケータを選定しなければなりません。
空気圧機器用としてのルブリケータは、その構造と機能によって全量式(オイル フォグ式)と、選択式(マイクロフォグ式)に大別されます。
全量式ルブリケータ
発生させた油粒の全量をそのままOUT側ポートから送り出すもので、油粒の 径は、比較的大きいものの割合が多い。
選択式ルブリケータは、ノズル部で発生した霧状の油粒のうちから、1 ~2〔μm〕以下の微細なものだけを選択してOUT側ポートから送り出す。
一般には、配管内の管壁に付着することが少ないので、遠方の機器まで給油 することができます。
一般にル ブリケータと呼んでいるもののほとんどが、この形式をとっています。
自動可変絞り式ルブリケータ
空気流量が大幅に変化するようなときで、給油量に過不足が出ることを防ぐことができます。
弾性体でできた抵抗体(可変絞り機構)をベンチュリ部に設けて、小流量時にはオリフィス径を小さくし、流量抵抗を大きくし ます。
逆に、大流量時には可変絞り部の変形によってオリフィス径を大きく し、流量抵抗を小さくします。
給油の絶対量は、上部のオイル調節弁で調節します。
この形式のルブリケータは、発生したオイルミストがすべて圧縮空気の流れに 混入しますから、その油粒の大きさは一定でなく、配管の内壁に付着しやすいです。
あまり遠くまで給油することはむずかしく、オイルミストの到達距離は最高5mまでが限界とされています。
選択式ルブリケータ
右図に、選択式ルブリケータの構造を示します。 IN側 に流入した圧縮空気は、全量式の場合と同様に可変絞り部を通して、ここで発生する差圧によってケース内のオイルパイプから上部の室に送られます。
この油を油量調節プランジ ャで油量を調節して、滴下管から滴 下しますが、全量式と違ってメインラインの圧縮空気流中に直接滴下さ せずに、分岐された圧縮空気中ヘノズルから霧状にして飛ばします。