やさしい実践 機械設計講座
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体験記

なにやら真似事でもそれらしい形の図面を書けるようになってくると、次には、それぞれの動作とか形状による強度などを、上司より指摘を受けることになります。

そのときに、ただ単純に直せば終わりでなく、なぜ、そのようになるのかを、深く追求することが重要です。

参考図と同じにしましたという理由は、あまり良い答えではなく、常に自分の答えを持った形状を作成したいものです。

よく考えないで図面を書いている人は、自分の今書いている物体の板の厚さも記憶していません。 その板 何ミリ?っと聴いても、即答が返ってきません。 それは良く考えていないからです。 記憶力の問題ではありません。

設計者の思いが込められているということです。 私はこのレベルに達したときに、材料力学、機械材料、力学ってすごく面白いと感じました。

今まで、勉強とは面白みのないものだと思っていましたが、不思議です。 本当に必要に迫られたわけでもありませんでしたが、へー、こんな簡単な式で色々なたわみが計算できるの? とか、鉄の焼入れってこういうことなんだとか、 恥かしながら小学生レベルの興味の持ちようでした。

また、これはもう少し後のことですが、当然、計算上は動くこと間違いないのですが、何千万もする機械の設計では実物が動くまでは、はらはらどきどきでした。 まさに真剣勝負です。

この繰り返しの経験が本物の設計者を育てます。

3D設計で今は、重量も瞬時に計算できますが、それは、形状を作成した後です。

設計は無から作成していきますので詳細形状がないときにでも、おおよその重量、形状を想定してその仕様が成立するのか、しないのかを見極めなければならないときも多くあります。

構想段階での重量計算はその形状を視覚で捕らえ四角の形状に置き換えて計算して重量を想定します。大きくは変わりません。もちろん最終的なものは、再計算が必要です。

実業務の世界では、材料力学、力学、材料知識など出来なくとも、出来る人がその分をカバーして仕事は進んでいきます。 もう少し言うと出来ない人のところには、そのような、仕事は廻ってこないということです。

会社は学校ではないので、効率よく成果をあげるのが任務です。 では、いつまでたっても出来ないのではなく、いつかは必ずチャンスが廻ってきます。チャンスはラッキーでは、ありません。あくまでも機会です。

このチャンスを生かすためにも、自助努力をして事前に自分で磨けるところを磨いておく姿勢が必要です。

このチャンスはそうたびたびはめぐってきません。特に若い頃は、ものすごく重要です。 一度このチャンスをものにして、経験をつむとそれがキャリアになり、次々と今もっているスキルより少し上の高度な仕事が回ってくる循環に入ります。

たとえば同期のA君とB君がいてほんの少し能力が上と見られたA君に少しだけ高度な仕事が任され何とか対応できたとします。するとA君は以前より少しスキルが上がります。

次にもう少し高度な仕事が回ってきたときにA君とB君が比較されまた、スキルが少し上のA君に任されるということです。どんどん新しいことを学ぶことが出来ます。

しかし、会社もそのあたりは、よく見ていますのでB君にも必ずチャンスを与えるようにします。そのときに期待にこたえられるよう準備しておかなければなりませんね。 妬み、めげたりするのは、子供と同じということですね。

努力せずに認めてもらえるほど社会は甘くないということです。

14、チャンスは多くない。チャンスを生かすために事前に自助努力をしよう。

材料力学、力学、材料知識などは、設計を行う上での基礎です。 この基礎がしっかりしているかしていないかにより設計できるジャンルの範囲が決まります。

この基礎がしっかりしていれば、おそらく機械と呼ばれる部類の設計は問題なく出来ること思います。 もちろん、業界特有な進め方、購入品、加工方法などは学ばなければなりません。

私は少なくとも多少の経験をつむ時間を得られればどの業界の機械でも対応できる自身はあります。 これが基礎というものだと思います。

会社はこの基礎部分があいまいな人も業務を消化するために必要とします。ただしあくまでも消化するためです。

私の今までの経験では設計部に配属になった、ほとんどの人はおおよそ5年で一当たりの業務はできるようになります。

しかし、問題はこの先で一流の設計者と呼ばれる人は、これからさらに約5年位必要で、ここまで到達できる人は全体の2割程度だと思います。

多くの人は5年以降、現状で満足しそれより上を目指す努力をしません。それより先、ただただ年を重ねるだけです。

人生は一生学び続ける場であることを理解できず、学校を卒業したら勉強はしなくてもいいと思っている人が大半です。(私もそう思っていました。 この職業に就けたこと感謝の念が絶えません)

ところで、私とCADとの出会いは、約20年前、私がちょうど設計業務で何とか一人歩きが出来るようになりつつあるときに、会社がCADの導入を決めそのリーダーに抜擢されました。

会社においてあったパソコンを仕事が終わってから触っていたのでそれを見て、興味があるだろうと、当時の上司の配慮だったと思います。

当時は2D CADでも一台 約500万ほどもする超高級品でさぞ、会社からの期待も大きかったことと思います。

今では、考えられないほど制約も多かったです。 たとえば図形要素も1万を超えるとかけなくなってしまうとか、でも、一番の難関はモニターの大きさでした。また、書いた形状が一体どのくらいの大きさなのかが分からない。モニターに1/1の大きさのものを表示するコマンドも当時はありました。

今まで、大きなA0の紙で書いていたものを17インチのモニターで書かなければいけないギャップは相当ありました。

そのCADはワークステーションと呼ばれているもので、パソコンのAUTO CADとの連携がうまくとれず通信ソフトも全く実用的でないものしかなく、私は業を煮やし自前でソフトを作り始めました。

あまり、たいした物は出来ませんでしたが、そのワークステーションの中間データーをDXFに変換して送信するソフトを作成することが出来ました。 約半年もかかりました。(よく会社が見守ってくれました) このこともすごく 色々なことを勉強する機会をいただいたと思います。

IGES、 DXFなどの中間ファイルとは、何なのか、通信する方法など設計者としてはなかなか体験できないことを体験できたと思っています。

その後、自動車メーカーからの製品データーの受け渡しのためということと、3D CADで設計できないかということで3D CADを導入しました。

しかしこの頃の3D CADは、今とは比べ物にならないほど高価で、性能もサーフェースが基本でソリッドとしては基本形状しか作成できないというものでした。 これは1台1千万以上しました。

サーフェースが基本でしたので講習も2Dと比べると雲泥の差で1ヶ月間毎日、特訓状態でした。自動車メーカーの製品データーは処理できるようになったのですが、相変わらず図面は2Dで書くという時期がしばらく続きました。

3D にて図面作成のトライはしたのですが結局、ワイヤーフレームでしか表示できないので途中で中止としました。

この時期に私はCADというソフトの本質を身に着けることが出来たと思っています。 色々なCADソフトを操作し体系を理解しました。よく、自分はAUTO CADしか触ったことがないので他のCADは自信がないですと言うのは、まだ、基本を理解できていないのだとおもいます。

自動車の運転で特定の車にしか乗る自信がないという人は、あまりいないことでしょう。

15、必要とするスキルは、体に染み込むところまで、やり続ける。

自転車は数年乗らないブランクがあっても、乗れるという自信はあるでしょう。
一度身についたものを忘れることは決してない。 スキルになる前で辞めるのは大変、もったいないです。体に染み付くまでやって、次のスキルに挑戦する。これが一番効率的です。

今現在、私は50歳を迎えます。私は前記のような経歴があり、非常にチャンスに恵まれたサラリーマン時代を送ったと思っています。

3D CADも進化を続けこれからは、その必要性をさらに拡大し、なくてはならないものになっていくことでしょう。 その応用技術は、専門性を必要とするようになっており、どこまでが設計者として必要なのかを見極めるのに難しくなっています。

私は、設計者自身がCADを使いこなすのは、責務であると考えており、2Dであろうが3Dであろうが同じと考えています。

CADはあくまでも道具であり、設計者の変わりは出来ません。 CADはなくとも設計は可能です。

CADがあっても設計は出来ません。 その先のシュミレーション、解析については、切り離して考えるべきだと思います。

私はこの職業を愛し、誇りに思い、感謝しています。

このホームページを通して、これからの設計を担う方たちへの応援になれば幸いです。 最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

光匠技研 野々山 満

1,仕事は常に一生懸命にするもの、能力が未熟であれば、とにかく一生懸命に働くと必ずチャンスは巡ってくる。

2,仕事で得た感動は一生ものである。

3,機械設計をマスターしたいという決意が必要。

4,製図技術を基本通りマスターする。

5, 一流の卓越者は、どんな細かなことも妥協しない。

6,自ら望んでする事は、3倍の効果がある。

7,本を読む習慣を作る。

8,製図技術は、アイデアを熟成させるもので、単純に3D CAD DATAを補完する物ではなく、重要である。

9,自分を通してお金が動くとき、真剣勝負になり、スキルを付ける絶好のチャンスである。

10,本を読む習慣が身に付いたら、本から知識を得られるように(ただ読むだけではダメです。腑に落ちるまで理解する)なると、本は一番、身近で安上がりな先生になる。

11,集中力を身につける。

12,最初の難関は3面図から頭の中で立体が作れるようになること。

13、真剣に3面図より立体形状を理解できる能力を身につける。

14、チャンスは多くない。チャンスを生かすために事前に自助努力をしよう。

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