やさしい実践 機械設計講座
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体験記

実録 設計修行体験記

本HPの趣旨の一つである ”どのように機械設計というスキルを修得するか?” を著者の経験を通してお話したいと思います。

まず、私はこの業界に入るときに、専門の知識を全く持っていませんでした。 ただし転職するときに将来、機械設計者になりたいと言う漠然としたあこがれを持ってその様な希望を受け入れてくれる会社へ転職しました。

はじめの2年は、製造の組立てを経験しました。 零細企業でしたので、機械の組み立てだけでなく、簡単な機械加工(溶接、ボール盤、旋盤、フライスなど)、エアー配管なども経験することができ、ここでの経験が後の、設計業務に大変役に立ちました。

私は、謙遜でも何でもなく、若い頃、本当に自分のことを”頭が悪い、バカ”だと思っていました。 ちょっと興味がありそうなポケットコンピューターなるものを買ってみて自分でプログラムを覚えようかなどとしたときも、途中で挫折しました。 実際にバカだったと思います。

何事につけ、そのような調子ですから自分自身のことも好きでは、ありませんでした。 そのような中、不安ではありましたが、飛び込んだこの世界 、とにかく解らないなりにも、一生懸命に働きました。

製造部に配属になったときも、廻りの人たちは、専門の学校を卒業し、基本的な知識はあるわけですから、もう、自分は劣等感のかたまりみたいな存在です。 先輩から”スコヤー取ってきて”と言われ ”ス、 スコヤー??って”それ 何ですか?””。。。 もう、いいよ、自分で取ってくる” と言うような連続でした。

ちなみに「スコヤー」というのは、直角度を測るための鉄で、できた直角定規です。「Square」がなまった呼び方をするのです。

他にも業界用語が いろいろあり、 この頃 覚えた用語が 正式用語かどうか、用語が通じるのか今でも不安になることがあります。 少し脱線しますが、 「ポンチ図、シャコ万、肉盛り、」は、共通語、「ガッチャ、青タン」は方言? と言うような感じです。

製造部で、働いていた頃は、よく社長より”設計をしたいのであれば、図面をみて勉強しておけよ”と言われていました。 が、しかし、これができないのです。 自分では勉強しなくては、と思うのですが、毎日、必死で働きますから終わるともう、くたくたで勉強どころではありません。

ここでも存分に、ダメッぷりを発揮していました。 今の自分をあてはめてみても、仕事後の勉強などは、おそらくできないと思います。

ダメ設計者候補生は、それでも一生懸命には、働いたので、徐々に 一人でもできる仕事が増えてきて、ある日 これを自分だけで組み立ててみなさいというチャンスが巡ってきました。

自分だけで、できるかしらと不安に思いつつ、組立て図には、部品番号があり、その部品番号の図面を見ると形が解り、部品棚にいくと図面と同じ形をした部品があります。 それを1個、1個集めてきて、後は組立て図を見ながら組み立てていきます。

子供の頃、良くプラモデルを組み立てていましたから、同じ要領です。 これが、おもしろいんです。 私の中では、プラモデルもこの組み立て作業も同じなのです。 違うところは組み立てる順番が書いていないこと、組み立てるときに部品にバリがあったり、溶接ビードが邪魔で削らなければならないとかで、すんなりは、組み立てられないことくらいです。

組み立てが完成し、電気関係の方が配線をし、動き出したときには、感動しました。 素直に お~すごい 動いた!と思ったものです。 動くのが当たり前でなのですが、とにかくあのときの感動は、今でも忘れられない経験となりました。

1,仕事は常に一生懸命にするもの、能力が未熟であれば、とにかく一生懸命に働くと必ずチャンスは巡ってくる。

2,仕事で得た感動は一生ものである。

目指すからには、その会社での1番を目指したいと、欲求だけ人一倍の私は、自分を面接していただいた部長へ頼み込み、当時、この会社の副社長 兼、設計部長のところへ部下として配属していただくことになりました。

強い思いは何にもまして、必要です。

3,機械設計をマスターしたいという決意が必要。

この方は私の恩師に相当します。 非常に特異だったのが、この部長がわがままというか、この当時まだ、会社は零細であったため、非常勤という形で自宅で業務を行っており、私ともう一人、もう本当に”弟子”と言うような形でこの方の自宅で教えていただきました。

狭い職場ですから自分のドラフタの前以外、行くところがありません。 毎日 びっちり仕事漬けです。 朝8:30~夜の7:30まで仕事をすると もう、くたくたです。 頭脳労働はこんなにも大変な物だと思い知らされました。

一方、会社で同じように設計をしている人たちは夜の10時、11時まで仕事をしても平気の様子。不思議でしたが、後に会社へ戻り、理解しました。

会社には息の抜けるところが少なからずあるということ、自分では一生懸命にやっているつもりでも本当は、どこか手を抜いていると言うことを身をもって知ることとなりました。

前後しますが、逃げ場所がないと言うことは、すごく精神的にも鍛え上げられることになります。 その恩師は、一度も声を荒げて、怒るようなことはありませんでしたが、妥協と言うことは、その恩師の辞書には無いようで、どんな小さなこだわりも、捨てませんでした。

昔のことですから当然、手書きです。 点線を沢山書くときは、だんだんと線と線の間が広がり線の長さも長くなります。 それを見つけると常に、点線は3mm,1mm,3mm,1mmの間隔を守るよう言われ続けました。 また、ある時、バネ座金が薄すぎると言われ、へ? そこまで 言う? 1/2のスケールで書いているのでそこまで細かくかけないと思いつつ直したこと今でも、 思い出します。

一緒に働いた人は私より、1年先輩で、当然、私が書いている物より少し、難しい場所を任され描くので、私が描いている箇所と干渉してくる場合など、いつも私の描いている方を修正させられます。 そのことがどうしても私には、その当時、納得がいかなくて、たびたび、トイレに駆け込み一人でうなっていました。 これも逃げ場がないので、強烈にストレスになり、鍛えられた思います。

本当に若い頃に鍛えられたなーと、感謝の念が絶えません。

4,製図技術を基本通りマスターする。

5, 一流の卓越者は、どんな細かなことも妥協しない。

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