やさしい実践 機械設計講座
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チェーン

摩擦車のずべりをなくすための歯車と同じようにベルトと プーリ との間のずべりをなくすようにしたのがチェーンです。

チェーンの相手は スプロケットといいます。

チェーンというのは鎖のことですが、巻掛け電動に使われるのは、 チェーンでもローラーチェーンといいます。 

参考Excel data

ローラチェーンは自由に回転するローラをはめたブッシュとリンクプレートとで組立てたローラリンクを ピンリンクでつないだものです。

ピンリンクのピンはローラリンクのブッシュの中を通ーて、両外側でリンクプレートで組立てる。

ローラチェーンは、この両方のリンク 1組の長さをピッチといいます。

ローラチェーンのピッチは 1/8インチ ( 3..175mm ) を単位として、この整数倍になっています。

スプロケットは円板の外周にこのローラチェーンのローラ径とピッチに合わせたみぞ[歯]を設けたものです。

チェーンは鋼製で、すぺりが起きないので ベルトよりも大馬力の伝動に耐えられます。

その反面、振動、騒音を発生させやすいので あまり高速度の伝動には向きません。

チェーンの場合は同じ巻掛け伝動のべルトとは ちがった注意が必要です。

ベルトはずべりがでないように ピンと張り、ゆるみをさけますが、チェーンは適当なゆるみを もたせるようにします。 しかし、ローラチェーンを張り過ぎますと 、 ピンとブシュ間の油膜が破れて 、 ローラチェーンや軸受の損傷を早めます 。 また 、 たるみ過ぎるとローラチェーンが振動したり、 スプロケットに巻付いたりして 、 ローラチェーンとスプロケットの両方を損傷します 。

このチェーンの伸びというのは、ベルトのよ うに (伸びるのでばなく、ピンとローラの摩耗によるガタの増加が、チェーンの全長である程度の量になったものです。

限界伸び率をしめします。

大スプロケット歯数 チェーンの伸び
60枚以下 1.50%
61~ 80 1.20%
81~ 100 1.00%
101~ 110 0.80%

軸間距離

最短距離は 、 二つのスプロケットの歯が接触しなければ問題ありません。

最も好ましい両軸の中心距離は 、 使用するローラチ ェーンのピッチの 30~50倍程度が理想的です 。 ただし 、 変動 荷重のかかる時は 20倍以下が適当です 。

チェーンとスプロケットのかみ合いの行なわれる面ば多角形になっています。

スプロケットにチェーンを巻掛けたときの,チェーンのピンの中心を結ぷと多角形となります。

ベルトがプーりに巻きかかる面は円形であり、ベルトがプーリに回転を伝達すところは運続的であるのに対し、チェーンが回転を伝達するところばピンであり、ピンとピンには間隔があり、飛び飛びであってベルトのような連続的なものではありません。

他方スプロケットの作動面も多角形をなしていますので、厳密ないいかたをすれぱ,あるビンが働いて回転を伝達していて、次のピンに回転伝達の仕事をバトンタッチする間での回転は均一ではありません。

チェーンとスプロケットによる駆動方式は比較的チェーン速度の小さな場合に利用されていますので、このような小さな不均一はあまり問題になりませんし、 チェーンとスプロケットの かみ合いを滑かにするためこスプロケットの歯形を多少変形してあります。 ただ、高速で使うことになるとチェーンと歯形の間につけた余分の遊びが音となって影響してきます。

チェーンによる変速は、同じ巻掛け伝動でも ベルトによる場合とちがってきます。

まず変速比です。 歯車と同じように,スプロケットの歯数比に反比例します。ただし、歯車は回転方向が反対になりますがチェーンはベルトと同じように回転方向は変わりません。

もっともローラチェーンは反対方向へ曲げてもさしつかえありませんから下図のように 掛けてやれば回転方向は反対になります。

こういうことはVベルトではできません。といっても理屈だけで実際には無意味なことです。

変速比は7:1くらいを限度とします。 この比が大きくなりますと、小スプロケットにかかるチェーンピッチ数が少なくなって、1ピッチの回転有効半径の変化を大きくさせます。

そのためチェーンには振動を、スプロケットには衝撃を与えるようになります。 また同じ変速比のうちでも小スプロケットの歯数は、いまの変速比の問題と同じ理由であまり少なくできません。

ふつうはこの限度を13歯としています。 他方、大スプロケットの歯数も、べつの理由で制限されます。 歯数が多くなりますとチェーンの伸びによる誤差が累積きれて、スプロケットの歯とチェーンとが合わなくなるからです。 普通この限度を 113歯としています。

このようスプロケットの歯数は最小、最大 とも奇数になっています。 偶数になりると、チェーンとスプロケットのかみあいが一定周期でくりかえされ、歯の摩耗が片寄ります。

摩耗をならすためには、なるぺく歯数を奇数にします。

速比と巻き付け角

2軸が水平(に近い) 位置にあるときには張り側を上に、ゆるみ側を下にします。 また、2軸を上下に配置することは あまりしません。

これは重いチェーンを上下にかけるとチェーンの伸びで下側のスプロケットから はずれやすくなるからです。

上下に はる場合でも 下側に大きいほうのスプロケットを配置ずるのが原則です。 ローラチェーン伝動の速比は 、 普通7:1までが適当ですが 、 ごく低速の場合に限り 10:1程度までは可能です 。

なお 、 小スプロケットとチェーンとの巻付角度は 120° 以上必要です 。 但し 、 吊下げ用の場合は 90° 以上必要です 。

チェーンのリンク数 計算

チェーンのピッチ P   型式 ピッチ 型式 ピッチ
大スプロケットの歯数 N1   RS25 6.35 RS35 9.525
小スプロケットの歯数 N2   RS40 12.7 RS50 15.875
軸間中心距離(mm) WP   RS60 19.05 RS80 25.4
上記に数値を入力   RS100 31.75 RS120 38.1
チェーンのリンク数          
軸間中心距離のリンク数で表したもの CP  

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