三面図、投影法
品物の1面に平行なついたてを置き少し離れたところから、ついたて面に垂直な平行光線を品物にあてると、品物の前面の影がついたて面に移ります。このついたての面が投影面であり ついたてに移った影が投影図にあたります。
二つのついたてを直行させ空間を4つにわけこの空間を右上方より反時計回りに第1角、第2角、第3角、 第4角 と呼びます。
投影した図を展開したものを三面図と呼びます
それぞれの展開された図の位置は正確に配置します。 配置するとは、下に示すようにそれぞれの図がずれないようにということです。
配置された図には、それぞれ名前がついています。
どの投影法で作成された図面かは、必ず図中に明示しなくてはなりません。
図面の表の中に 三角法 一角法 と明示します。
文字は省略される場合も多くあります。
日本,米国,は (JIS) ・・・・・三角法 で書かれており、 ヨーロッパは ( ISO ) ・・・・一角法で書かれています。
輸入品などのカタログでは良く一角法の物があるので注意が必要です。
投影面の呼び名
形状のどの面を A:正面図に設定するかは、製図者が任意できめます。
一番形状が理解しやすい面を正面図として配置します。
下記の図A:正面図に一番形状が理解しやすい形状を配置します。
A:正面図に一番形状が理解しやすい形状を配置します。
極力実線が表示される側の面を選択する。
下の図では四角で囲んだ面が一番この形状を表現する情報を多く含んでいます。
(a)の配置では、その一番情報が多い面から、残りの両方の面との関連が理解しやすい配置となっています。
(b)の配置では、1面は関連がわかりますが、もう1面については、関連がわかりずらい配置となっています。
図形の向き(部品図)
品物が置かれたり,使用されるときの状態にかかわりなく、その品物を加工するときの状態を考え、その向きに置いて描きます。たとえば図. (a),(b)に示すような品物では、主要な加工は旋盤で行われるので、旋盤に取り付けられるときと同じ状態、すなわち回転軸が水平になるように、かつ作業の重点が右にあるような位置に置いて描きます。
図(c)のような品物では,平削り盤で加工されるため、長手方向を平らに、かつ上から見えるような位置に置いて描くのが適当です。その他の加工方法についても同様です。
実際に三面図を描いてみましょう。
皆さんが持っている消しゴムの3面図を描きましょう
簡単でしたか? 次に下の好きな形を一つ選んで消しゴムの面に書いてみましょう
⑧を選んで描くとこのようになりますね。
それを消しゴムの絵を見ながら1枚の紙に書き写してみましょう(右のようになりますね)
これが3面図です。 迷ったときには、消しゴムに書いてみてください。
次に頭の体操です。下の3面図をみて不足している線を追加してください。
まずは例を示します。 (赤線が追加された線です)
簡単そうですね、それでは問題です。 下の3面図をみて不足している線を追加してください。
ちなみに私は⑤が一番難しいと思っています。
問題
いかがでしたか? クイズみたいで楽しめませんでしたか? 回答へ
好きなことは、幾らがんばっても、疲れません。
がんばると好きになります。好きになることが上達の早道です。
数学はパズル、英語を話せる自分を想像する。英語学習に英語の漫画を読むなどの工夫を考えましょう。
投影法を使えばどの方向からの図も表せる
投影法を用いて任意の角度からの投影図を作図する方法を示します。
投影される任意点は投影方向の垂直線上にあり、 もう一面からの同じ任意点の水平線上の距離と交わるところに点が存在します。 この手法を使用すればどのような形状も任意の方向からの投影図を作成できます。
おそらく何を言っているのか理解できないですよね?下のサイコロで説明しましょう。
初めに①と②を描きます。これはわかりますね? ①を時計回りに回転させた③を右隣に描きます。
②と③をから各点を補助線をそれぞれ引いて④を作図します。
点の場所間違えないようにアルファベットの記号が振ってあります。a,a',a1,a'1,a2,a'2とつながっていきます。
③を回転させる時には②から見ると平行方向の回転はせずに①からの見て回転させるだけですのでa,b,c,dの平行線方向の位置は、変化がありません。 したがって②からの点からの水平補助線と③からの点の垂直方向からの点の交点を結んでいけば④になるわけです。
今度は④を回転させて⑤を④の右隣に描きます。 同じ要領で⑤と③から補助線を引いて⑥を完成させます。
この手法を我々は図を転がすと言っています。
2面図から、残りの一面を作図する方法
上の投影法と同じ方法で、2D図面では、一面をコピーして90度回転させて補助線を引いて
残りの一面を完成させます。
補助投影図
実際の業務では、下のように補助投影図を作成する機会が多くあります。
例のように必ず正面から形状を確認できる投影図が必要です。 これがないと寸法も入れられません。
よほど簡単な形状のものは、省略される場合もあります。
尺度
図形の長さと対象物の長さの割合を尺度(スケール)と言う。
図面を書く上で必ず明示しなければならない。
どの様な尺度でも使用可能ではなく決められた尺度の中より優先順位 順に選びます。
図面用紙に対象物を書いたときに十分に解読が可能な尺度を決め、用紙A4から順に大きな用紙へ 移り最適な尺度と用紙を決定する。 あまり4隅にスペースがないと見にくくなるので注意が必要。
逆に用紙に空白が多くありすぎるのも 見にくくなります。ちょうど額縁にあてるマットの感じです。
JISでは以下の尺度を一次選択としている。
大きな物を書くときには尺度が大きくなり(1/100) 小さな物を書くときには倍尺となる。
長さが倍になると面積は4倍になる。 当たり前のようだが大変重要な事を含んでいて前例のない設計をしているときには出来る限り1/1(現尺)で書くことを推奨します。
人間の感性は面積、体積に大きく影響を受けます。長さが単純に倍になっただけと 思っていて実物をみてイメージと大きく違っていたと言うことは良くあることです。